世界中で人気を集めていた韓国のイチゴ「ソルヒャン」。しかし、実はこの品種が日本のイチゴを元に無断交配されたものであるという事実に、海外からも驚きと批判の声が上がっています。さらに、炭疽病の大流行によって韓国のイチゴ産業が壊滅的な打撃を受けるなど、その裏には大きな問題が隠されていました。
この記事では、イギリスの有名シェフによる現地取材を通じて明らかになった、ソルヒャンの秘密や日本の品種保護に関する取り組みについて解説します。
ソルヒャンのルーツは日本品種「章姫」と「レッドパール」
韓国で開発されたとされる「ソルヒャン」は、その甘さと香りから海外でも高級品として人気を集めていました。しかしその実態は、日本の品種「章姫」や「レッドパール」が無断で韓国に持ち出され、交配されて生まれたものでした。
過去の経緯
- 1996年:日本で「章姫」が品種登録
- 1998年:韓国の研究者が「レッドパール」を求めて日本を訪問
- その後、契約を無視して苗が韓国全土に広がる
- 2005年以降:ソルヒャンとして韓国国内で主流に
このように、韓国が日本の品種を無断で使用し、独自品種として登録・販売していたことが明らかになっています。
炭疽病で壊滅的被害…韓国イチゴ産業の崩壊
2021年、韓国のイチゴ農園を襲ったのは「炭疽病」という深刻な植物病害。特にソルヒャンは、親品種である章姫が病気に弱いため、抵抗性が低く、壊滅的な被害を受けました。
被害の原因と影響
- 気候変動により炭疽病菌が活性化
- 対応ノウハウが不十分だったため感染拡大
- 国内供給が大幅に減少し、価格は急騰
- 輸出先にも影響が及び、韓国イチゴの国際評価が低下
この出来事は、日本から盗用された品種が、適切な栽培管理がなければ持続できないという現実を浮き彫りにしました。
日本の取り組みと「美人姫」の衝撃
韓国産ソルヒャンに失望したイギリス人シェフ・ポール氏は、日本の高級イチゴ「美人姫」を取材するために来日。その味と品質の高さに驚愕し、世界最高のイチゴとして紹介しました。
美人姫とは?
- 開発に13年、1粒5万円の超高級品
- 糖度13〜16度、果実は100g以上にも
- 国内外でのブランド戦略も進行中
さらに、日本ではブロックチェーンやDNA管理による品種保護の取り組みが進んでおり、農業を守るための技術革新が進んでいることにも海外から高評価が集まっています。
品種の無断流出を防ぐための日本の対策
2020年には種苗法の改正により、開発者の知的財産が守られる仕組みが整えられました。
改正のポイント
- 無断での海外持ち出しを禁止
- 指定地域外での栽培を制限
- 苗や種の販売には許可が必要
しかし、日本国内でしか適用されないという課題があり、現在は海外登録や監視の強化も進められています。
FAQ
Q1: ソルヒャンは韓国独自の品種ではないのですか?
A1: 表向きは韓国独自とされていますが、実際は日本の「章姫」と「レッドパール」を交配して生まれた品種です。
Q2: なぜ日本の品種が韓国に流出したのですか?
A2: 過去に研究目的で提供された苗が、契約を無視して無断で流通・交配された事例が複数存在します。
Q3: 今後も同じ問題が起きる可能性は?
A3: 日本では法改正と技術的対策が進められていますが、海外登録を怠ると再発の可能性はあります。
Q4: 日本のイチゴで注目すべき品種は?
A4: 「美人姫」や「スカイベリー」「あまおう」など、高品質な品種が世界でも評価されています。
まとめ
韓国のイチゴ「ソルヒャン」に関する問題は、単なる品種の流通ではなく、農業における知的財産の重要性を浮き彫りにしました。
- ソルヒャンは日本品種の無断交配が起源
- 炭疽病の流行で韓国のイチゴ産業は打撃
- 日本は品種保護に向けた法整備と技術開発を強化
- 「美人姫」など日本のイチゴが世界で再評価
今後、日本の農家が安心して品種開発を行い、世界に誇る農産物を届けられるような仕組み作りがますます求められます。