「国の借金が1,317兆円を突破!」というニュースを見て、不安になった人も多いのではないでしょうか?「これって日本は財政破綻するの?」「将来の世代にツケを回しているのでは?」といった疑問を持つ人も多いはずです。
しかし、実はこの「国の借金」という言葉には誤解があります。本記事では、なぜ日本は1,317兆円もの「借金」を抱えても財政破綻しないのか、その仕組みをわかりやすく解説します。
「国の借金」とは何か?実は政府の負債だった!
1. 「国の借金」という言葉の誤解
マスコミの報道では、「日本の借金が過去最大!」「国民1人あたり○○万円の借金!」という言葉がよく使われます。しかし、これは実際には「政府の負債」であり、「国民の借金」ではありません。
岸田首相も国会で「国の借金は国民の借金ではなく、政府の負債である」と明言しています。それなのに、なぜ今も「国の借金」と言われるのでしょうか?
2. なぜ「借金」と言われるのか?
政府の負債の大部分は国債です。国債とは、政府が資金を調達するために発行するもので、日本国内の金融機関や日銀が保有しています。
しかし、この国債は税収で返済されるものではなく、政府が新しく発行する国債で借り換えされ続けています。つまり、家計や企業の借金とは全く異なる仕組みなのです。
なぜ日本は財政破綻しないのか?
1. 日本政府は「円を発行できる」
日本政府は、自国通貨(円)を発行できるため、デフォルト(債務不履行)にはなりません。例えば、家計の場合、借金が膨らみすぎると「お金がなくなって返済できない」という状況になります。
しかし、政府は必要な場合に国債を発行し、日銀がそれを買い取ることでいつでも資金を調達できるのです。これは、通貨発行権を持つ国ならではの強みです。
2. 国債の大部分は国内保有
日本の国債の約90%は、国内の銀行や保険会社、日銀が保有しています。これは、外国に依存している国(例えばアルゼンチンなど)とは全く異なる状況です。
外国からの借金が多い国は、返済不能になると通貨価値が暴落し、財政破綻のリスクが高まります。しかし、日本は国内で国債を回しているため、そのリスクは低いのです。
3. 国債発行=国民の資産が増える
政府が国債を発行し、支出すると、それは国民の銀行預金として増加します。例えば、特別定額給付金(10万円給付)の際には、政府が国債を発行し、その資金が国民の銀行口座に振り込まれました。
つまり、政府の負債(国債)は、国民の資産(銀行預金)と表裏一体の関係にあるのです。
なぜ「借金1,317兆円」と騒がれるのか?
1. 「危機感を煽る」ための数字操作
今回の「国の借金1,317兆円」という数字には、政府短期証券(短期間の資金調達用の国債)も含まれていることがポイントです。
以前は、この短期証券は「国の借金」としてカウントされていませんでした。しかし、政府が借金額を大きく見せるために、短期証券も含めるようになったのです。
2. マスコミの「テンプレ記事」
毎回「国の借金○○兆円!」という記事が、各新聞やニュースサイトに一斉に出るのはなぜでしょうか?
実は、財務省が記者向けに発表するペーパーをマスコミ各社がそのまま記事にしているからです。そのため、どのメディアを見ても、ほぼ同じ内容の記事が出てきます。
これは、実際に記者が独自に調査した結果ではなく、「財務省の意図に沿った報道」であることを意味します。
財政健全化の本当の意味とは?
1. プライマリーバランス黒字化の問題点
財務省は、「日本の財政は危機的状況だから、増税や歳出削減が必要」と主張しています。その根拠として、「プライマリーバランス(PB)の黒字化」を掲げています。
しかし、プライマリーバランス黒字化とは、政府の支出を税収の範囲内に抑えることを意味します。これを達成すると、政府の支出が減り、国民の所得(銀行預金)が減少することになります。
2. インフラ投資や減税が必要
現在、日本では道路や橋などのインフラ老朽化が問題になっています。また、経済成長を促すためには、消費税の減税なども必要です。
しかし、「財源がない」という理由で、これらの施策が実行されていません。実際には、政府が国債を発行すれば対応可能なのですが、国民の誤解を利用して、財務省は「借金が増えるからできない」と説明しているのです。
FAQ(よくある質問)
Q1. 国の借金は本当に問題ないの?
A. 問題ありません。日本は自国通貨(円)を発行できるため、デフォルト(財政破綻)することはありません。
Q2. じゃあ、いくらでも国債を発行していいの?
A. 物価の上昇(インフレ)に気をつけながら、適切な範囲で発行すれば問題ありません。現在の日本はデフレ傾向にあるため、むしろ政府の支出を増やすべき状況です。
Q3. 増税しないと財政が持たないのでは?
A. そんなことはありません。実際には、政府が支出を増やせば、国民の所得が増え、経済成長によって税収も増えるのです。
まとめ
「国の借金1,317兆円」と聞くと不安になりますが、実際にはこれは政府の負債であり、国民の資産と表裏一体の関係にあります。
日本政府は円を発行できるため、財政破綻することはなく、本来ならば減税やインフラ投資を進めるべきなのです。
マスコミの報道に惑わされず、本当の仕組みを理解することが、これからの日本経済を考えるうえで重要になります。