最近、外国人がたった4600円の費用で日本の運転免許を取得できるという「外免切替」制度が注目を集めています。一見、便利でコストパフォーマンスに優れた制度のように見えますが、その裏には交通安全や制度の公平性に対する重大な課題が隠れています。本記事では、この制度が抱える問題点に焦点を当て、今後の改善の必要性について詳しく解説します。
外免切替とは？4600円で免許が取れる仕組みの概要
「外免切替」とは、外国で取得した運転免許証を基に、日本の運転免許に切り替える制度です。この制度を利用すれば、日本の運転免許センターで簡易な試験（筆記・視力検査など）を受けるだけで、わずか4600円の費用で免許が交付されます。
本来、日本の運転免許を取得するためには運転教習所に通い、約30万円以上の費用と数か月の期間がかかるのが一般的です。その点、外免切替は時間もコストも圧倒的に少ないため、多くの外国人観光客や在留外国人が利用しています。
なぜ「4600円の外免切替制度」が問題視されているのか？
1. 試験内容が簡易すぎるため、安全性に疑問
外免切替で行われる筆記試験は、たった10問の○×問題であり、6問以上正解すれば合格となります。この形式では、日本独自の交通ルールやマナーを十分に理解していなくても、免許を取得できてしまう可能性があります。
特に、下記のようなルールに精通していないまま運転されると、事故のリスクが高まります。
- 一時停止のルールや標識の意味
- 自転車との共有スペースの扱い方
- 高速道路での車線変更や合流方法
2. 技能試験が免除される国が多すぎる
現在、約30か国・地域の免許は技能試験が完全免除となっています。つまり、運転実技の確認なしに免許が交付されてしまうケースが多くあります。
これは、以下のようなリスクを含んでいます。
- 実際には運転経験が乏しい人が免許を取得
- 取得国での運転環境と日本の交通事情が大きく異なる場合、対応できない
- 左側通行に不慣れなまま日本の道路を走行する
3. 外国人ドライバーによる交通事故の増加
近年、外国人ドライバーが関与する交通事故が増加傾向にあります。これには、外免切替制度を利用して運転する外国人が、日本の交通ルールを十分に理解していないことが背景にあるとする指摘もあります。
統計上、外国人ドライバーの事故率が日本人よりも相対的に高いというデータも存在し、安全教育の不足が問題視されています。
政府・議会の反応と制度改正への動き
この制度に対しては、政治家や専門家から以下のような懸念と提案がなされています。
- 日本維新の会の議員：「本当に運転技術があるのか疑問」と制度の抜本的見直しを要求
- 国家公安委員長：筆記試験や技能試験の難易度の適正化について検討中
- 交通安全専門家：交通安全教育の義務化、もしくはオンライン講習の導入提案
これらの動きは、今後制度が大きく変更される可能性を示しています。
外免切替制度の見直しに必要な改善点
今後、安全で公平な制度を目指す上で、以下のような改善が求められています。
- 筆記試験の内容充実：10問ではなく、より多くの問題数とシナリオ形式を導入
- 技能試験の原則義務化：実技を通じた日本の運転環境への適応確認
- 交通安全講習の導入：短時間でもルールとマナーを伝える教育機会を設ける
- 免除対象国の見直し：交通事情が著しく異なる国は再評価する必要あり
FAQ
Q1: なぜ4600円で免許が取得できるのですか？
A1: 外免切替は、すでに外国で免許を持っている人を対象としており、日本での教習を省略できるためコストが低く設定されています。
Q2: 外免切替はすべての国で可能ですか？
A2: いいえ、対象外の国もあります。国ごとに制度が異なるため、事前に運転免許センターへ確認が必要です。
Q3: 技能試験が免除される国はどこですか？
A3: アメリカ（州により異なる）、フランス、ドイツ、韓国など一部の国が対象です。これらの国の免許は信頼性が高いとされているためです。
Q4: 外免切替で取得した免許の有効期間は？
A4: 通常、日本の免許と同様に更新期間が定められています。取得時の年齢や条件によって異なります。
結論
「外免切替」制度は、外国人にとって非常に便利な手段である一方で、安全性や制度の公平性といった観点から見れば、大きな課題が残っています。わずか4600円という低コストで免許が取得できる現状は、日本の交通環境に合った運転者を育成するという本来の目的から逸れている可能性があります。
今後の制度改正では、利便性と安全性のバランスをいかに保つかが大きな鍵となるでしょう。交通事故を未然に防ぐためにも、より厳格で実効性のある仕組み作りが求められています。
