近年、「退職代行サービス」が急増しています。
仕事を辞める際、会社に直接伝えずに代行業者に依頼する人が増えており、その背景には「パワハラ」「引き止め」「円満退職の難しさ」など、さまざまな要因があります。
しかし、退職代行サービスは単なる代行業務だけではなく、実は「儲かるビジネスモデル」が隠されています。
この記事では、退職代行サービスの仕組みや、なぜ儲かるのか、その裏側を詳しく解説します。
退職代行サービスとは?なぜ需要が増えているのか
退職代行の基本的な仕組み
退職代行サービスは、退職希望者が自ら会社に退職の意思を伝えずに、代行業者がすべての手続きを行うサービスです。
通常、LINEやメール、電話で依頼し、代行業者が会社へ連絡して退職手続きを進めます。
- 正社員の場合:料金の相場は 2万~5万円
- アルバイトの場合:料金の相場は 1万~1.5万円
退職代行の需要が増えている理由
退職代行サービスを利用する人が増えている背景には、以下のような理由があります。
- パワハラ・モラハラなどの職場トラブル
- 上司の圧力や嫌がらせで退職を申し出るのが困難な人が増えている。
- 退職を引き止められるケースが多い
- 「今辞めたら迷惑がかかる」「後任が決まるまで待て」と引き止められる。
- 精神的なストレスを軽減したい
- 辞めることを伝えるだけでも大きなストレスになるため、第三者に頼む。
- 法律的な知識がなく、適切な退職手続きが分からない
- 未払い残業代や有給消化の請求方法が分からないため、専門家に相談したい。
退職代行サービスの収益モデル
退職代行サービスは、単に「退職を代行する」だけではなく、いくつかのビジネスモデルが組み合わさって利益を生み出しています。
1. 退職代行手数料(2~5万円)
最も分かりやすい収益源が、退職希望者からの代行手数料です。
ただし、これはビジネス全体の収益の一部に過ぎません。
2. 弁護士・社労士との提携
退職者の中には、以下のような問題を抱えている人も多くいます。
- 未払いの残業代請求
- 退職金未払い
- 有給消化のトラブル
これらを適切に解決するために、弁護士や特定社労士が必要になります。
退職代行業者は、これらの専門家を紹介することで、紹介料や相談料の一部を収益として得ることができます。
3. 労働組合との提携
労働組合を通じて退職交渉を行うケースもあります。
労働組合が企業側に団体交渉を申し入れることで、よりスムーズな退職を実現します。
このプロセスにも費用が発生し、退職代行業者に収益が入る仕組みになっています。
4. 求人紹介サービス(転職支援)
退職代行サービスの最大の収益源は、退職後の転職支援です。
退職代行を利用する人は次の職場を探す必要があるため、業者が転職支援サービスと提携し、転職が決まった際に人材紹介会社から報酬を得る仕組みになっています。
- 人材紹介報酬の相場:年収の20~30%
- 例えば、年収300万円の転職者を紹介すると、人材紹介会社から60万~90万円の報酬が入る
この仕組みによって、退職代行業者は単発の代行手数料だけでなく、長期的な収益を確保できるのです。
5. 退職サポートサービス(書類作成・アドバイス)
最近では、退職代行までは必要ないが「退職の手続き方法を知りたい」「未払い残業代を請求したい」といった人向けに、
退職サポート(コンサルティング)サービスを提供する業者も増えています。
- 提供するサービスの例
- 適切な退職届・通知書の作成支援
- 未払い賃金の請求書作成
- 退職交渉のアドバイス
このようなサービスは1万円~3万円程度の料金で提供されることが多く、新たな収益源になっています。
退職代行のビジネスモデルは他の業界にも応用できる
この退職代行の仕組みは、他の業界でも応用可能なビジネスモデルの一つです。
特に以下のようなポイントが参考になります。
-
「入口」「プラスアルファ」「出口」を作る
- 入口(退職代行):低価格で集客
- プラスアルファ(弁護士・社労士・労働組合):追加サービスで利益アップ
- 出口(転職支援):高額報酬を得る
-
他業種との連携を強化する
- 退職代行 × 弁護士 × 転職支援 = 高収益モデル
- 例:相続手続き(税理士・司法書士・弁護士の連携)
-
サポートサービスを提供し、低価格帯の商品も用意する
- 退職サポート(書類作成・アドバイス)= 気軽に利用できるサービス
- 例:ファッション業界(高級ブランド → アウトレット → レンタル)
まとめ
退職代行サービスは、一見単純なビジネスに見えますが、転職支援・法律サービスとの連携により高い収益を生み出せる仕組みになっています。
そのため、新規参入が相次ぎ、競争が激化している業界でもあります。
ポイントまとめ
- 退職代行は2~5万円の代行手数料だけでなく、転職支援・法律相談・労働組合との連携で収益を上げている
- 「入口・プラスアルファ・出口」の仕組みを作ることで、ビジネスの成長が可能
- このモデルは 他の業界にも応用できる
退職代行に限らず、自分の業界でも「プラスアルファのサービス」や「出口戦略」を考えてみると、新たなビジネスチャンスが見つかるかもしれません。

