あなたの仕事の成果を劇的に向上させるには、単に頑張るだけでは足りません。本書「イシューからはじめよ」(安宅和人 著)では、問題の解決方法を考える前に「本当に取り組むべき課題=イシュー」を見極めることの重要性が説かれています。この記事では、その考え方を基に、生産性を最大化する思考法を解説します。
イシューとは何か?
イシューとは、テーマとなる問いや課題のことです。本書では、仕事の成果を決める重要な要素として、「どんな問題に取り組むべきかを見極める力」と「その問題に対して素晴らしい答えを出す力」という2つが挙げられています。
- 例え
「どのテストに挑むか」を見極める力が重要で、「テストの解き方」よりも優先すべきだといいます。
イシューの重要性
イシューを的確に設定できるかどうかが、生産性の高い人とそうでない人の大きな分岐点となります。これを誤ると、どれだけ努力しても結果は出ず、むしろ労力を無駄にしてしまうのです。
生産性を高めるための7つの原則
1. 悩むのではなく考える
「悩む」と「考える」は似て非なるものです。
- 悩む:答えが出ないことに時間を費やす行為
- 考える:答えが出ることを前提として具体的な行動を計画する行為
具体例
「目標売上を達成できない」と嘆くのではなく、「どんな施策で達成可能か」を考えるべきです。
2. がむしゃらに頑張らない
日本では努力が美徳とされがちですが、本書では「方向性」を定めた上で努力することの重要性を強調しています。
- 誤った例:明確な計画なく「ただ長時間働く」
- 正しい例:目標達成に直結する施策を絞り込む
3. 良いイシューの条件を理解する
良いイシューには以下の条件があります:
- スタンスが明確である
- 良いか悪いか、やるべきかやめるべきかがはっきりしている。
- 常識的すぎない
- 常識に基づいた課題設定は、行動の変化を生まない。
4. イシューを特定するための情報収集
良いイシューを設定するには、一次情報(加工されていない現場の声やデータ)が不可欠です。
- 販売の現場:顧客やスタッフの声
- 製造の現場:工場の生産ラインでの観察
5. 仮説を含んだイシューの設定
ただ情報を集めるだけではなく、「仮の答え」を含める必要があります。
- 例
「サービスの質が他社に劣っているのでは?」という仮説を立て、それをもとに調査・分析を進めます。
6. 成果につながらないイシューは設定しない
イシューは「達成すれば大きな成果を得られる」ものであるべきです。常識的なイシューや成果のない問題には取り組まないようにしましょう。
7. イシューを抑え続ける
一度設定したイシューを忘れてしまわないよう、作業中も意識し続けることが重要です。紙に書き出す、デスクトップにメモを貼るなどの工夫をしましょう。
FAQ
Q1: イシューを特定するのに最適な方法は?
A1: 一次情報を収集することが最重要です。現場の声やデータを直接確認しましょう。
Q2: 良いイシューの具体例は?
A2: 「市場が縮小している中で売上を伸ばすための新たなターゲット層は誰か?」など、明確な仮説を含んだ課題です。
Q3: イシューの特定に時間をかけすぎるべきではない?
A3: 情報収集は80%程度に留めるのが理想です。情報過多は思考を鈍らせる恐れがあります。
まとめ
「イシューからはじめよ」は、生産性を爆上げするための本質的な思考法を教えてくれます。ポイントは、何に取り組むべきかを明確にすること。そのために、良いイシューを設定し、それを軸にして業務を進めましょう。
「ただ頑張る」から脱却し、「成果を出す」ための仕事のやり方を、この本から学んでみてはいかがでしょうか?

