最近、多くの人が 「給料は増えないのに、なぜ物価ばかり上がるのか?」 という疑問を抱いています。
本記事では、この 「実質所得の低下」 に関する問題を、三橋貴明氏の解説をもとに詳しく掘り下げ、日本政府の政策がどのように影響しているのかを探ります。
物価は上昇するのに、なぜ所得は増えないのか?
物価上昇の主な原因
現在、日本では 食料品を中心に物価が高騰 しています。その主な要因として、以下の点が挙げられます。
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輸入コストの増加
- 円安の影響で、輸入品の価格が上昇。
- 食料品やエネルギー価格が高騰。
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グローバルなインフレの影響
- 世界的なサプライチェーンの混乱。
- 原材料の価格上昇。
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政府の財政政策による影響
- 必要な公共投資を抑制(インフラ整備が遅れる)。
- 企業の賃上げ支援策が不十分。
特に、食費の割合を示す「エンゲル係数」が 43年ぶりの高水準 になっていることが、大きな社会問題となっています。
所得が増えない理由
物価が上昇しているにも関わらず、日本では 賃金が上がらない 状況が続いています。その背景には、以下のような問題が存在します。
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政府の緊縮財政政策
- 「プライマリーバランス黒字化目標」に縛られ、財政出動を抑制。
- 公共投資が減少し、経済が活性化しない。
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企業の内部留保の増加
- 日本企業は利益を従業員に還元せず、内部留保として積み上げ。
- 結果として、賃金が上がらない。
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非正規雇用の増加
- 派遣社員やアルバイトの割合が増加し、安定した収入を得ることが難しい。
なぜ税金を払っているのに、公共サービスは悪化しているのか?
「税金を納めても、どこに消えているのか分からない」
日本では、税収の多くが 「国債の償還」や「財務省の方針による消滅」 に使われており、実際に国民のために使われていない という問題があります。
- 政府の支出 は、主に国債発行で行われる。
- その後、税収を使って国債と相殺し、お金を消す。
- 結果として、税金が社会のために使われるわけではない。
つまり、私たちが納めた税金が「消えている」だけ であり、公共サービスの向上にはつながっていない ということです。
インフラの老朽化が進行
例えば、最近発生した 埼玉県八潮市の道路陥没事故 や、名古屋でのインフラ事故などは、政府がインフラ整備を怠っていることを示しています。
- 高度経済成長期(1960~70年代)に整備されたインフラが老朽化
- 適切なメンテナンスが行われず、事故が発生
- 財政出動を抑えた結果、国民の安全が脅かされる
今後、同様の事故が全国各地で増える可能性が高く、インフラ維持のための適切な財政支出が求められています。
「1億総貧困化」への道?エンゲル係数の上昇と経済の悪化
エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の割合 を示す指標です。
- 高度経済成長期(1960年代):エンゲル係数が徐々に低下(=生活が豊かになる)
- バブル崩壊後(1990年代以降):エンゲル係数が再び上昇(=貧困化)
- 現在(2020年代):43年ぶりの高水準に
これは、所得が増えない中で、物価だけが上がっている ことを示しており、「食べるために働く時代」に逆戻りしていることを意味します。
今後、所得の向上がなければ、さらに生活が苦しくなる 可能性があります。
解決策はあるのか?
① 賃金の引き上げが最優先
- 政府が積極財政を行い、公共投資を拡大
- インフラ整備を進め、雇用を増やす
- 企業に対して、賃上げを促す税制優遇を導入
② 消費税の減税・撤廃
- 消費税を減税または撤廃し、実質的な可処分所得を増やす
- 特に、食料品の消費税をゼロにする(軽減税率の拡大)
③ 財政政策の見直し
- 「プライマリーバランス黒字化目標」の撤廃
- 税収を国民の生活向上に使う財政制度への転換
FAQ
Q1. なぜ税金を払っているのに、私たちの生活は良くならないの?
A. 税金は国民のために使われておらず、国債の償還に充てられているため です。そのため、公共サービスの向上にはつながっていません。
Q2. なぜインフラ整備が進まないの?
A. 政府が「緊縮財政」を掲げ、公共投資を削減 しているため、インフラの老朽化に対応できていないからです。
Q3. どうすれば生活は良くなる?
A. 政府が積極財政に転じ、公共投資を増やし、賃金を上げることが必要 です。消費税の減税や、財政制度の見直しも重要です。
まとめ
✅ 物価が上がる一方で、所得が増えない原因は「政府の財政政策」にある。
✅ 税金は国民のために使われず、国債の償還に消えている。
✅ 賃金を上げ、消費税を減税し、積極財政に転換することが解決策。
今後、7月の参議院選挙をはじめ、日本の政治・経済政策に注目することが重要です。