現在の日本社会で「真面目に働くサラリーマン」が実は最も損をしている――。
そんな衝撃的な現実を突きつけ、マイクロ法人を活用した“雇われない生き方”を提案する橘玲さんのベストセラー『新・貧乏はお金持ち』。
本記事ではそのエッセンスを、初心者にもわかりやすく要約・解説していきます。
日本のサラリーマンは“現代の農民”?
日本のサラリーマンは、稼いだお金の約半分を税金や社会保険料という形で国に納めているのが実情です。
これを「国民負担率」と呼び、2025年時点ではなんと46.2%に達しています。
つまり、年収300万円の人の手取りは約150万円。
これはまるで、江戸時代の農民が収穫の半分を年貢として差し出していたのと同じ構造なのです。
サラリーマンの厳しい現実
- 給料は上がらないのに、インフレで物価だけが上昇
- 社会保険料の負担は年々増加
- 実質賃金(手取り)はどんどん減少
このような構造的“搾取”に気づかず、ただ働き続けていると、一生「お金に苦しむ人生」から抜け出せないと著者は警鐘を鳴らしています。
マイクロ法人とは?雇われない生き方の第一歩
サラリーマンとして給料を増やすのは非常に難しいですが、「支出=税金や保険料の削減」は自分の行動で変えられます。
そこで登場するのが「マイクロ法人」という方法です。
マイクロ法人とは?
- 自分で設立する小規模な法人(会社)
- 収入を「給与」ではなく「法人売上」として受け取る
- 経費や節税を合法的に活用して、手取りを最大化するスキーム
法人化のメリット
- 法人税は実効税率が低い(18.5~30%)
- 個人所得税よりも経費の幅が広く、節税がしやすい
- 自分の家族を役員にして、役員報酬を経費化できる
- 社会保険料の加入義務を回避できるケースもある
たとえば、同じ300万円の収入でも、「サラリーマンのまま」だと手取りは150万円程度、
マイクロ法人を活用すれば、240万円以上が手元に残る可能性があるのです。
年収300万円でも始められる!マイクロ法人は誰でも使える制度
「法人なんて金持ちの話でしょ?」と思っていませんか?
実は、年収300万円以上ならマイクロ法人化した方が得になると言われています。
日本人の年収中央値は351万円なので、過半数の人が対象になる計算です。
青色申告との違い
- 自営業(個人事業主)も経費計上できるが、所得税が適用され不利
- マイクロ法人では法人税+役員報酬による健康保険料最小化が可能
つまり、“個人のまま”よりも“法人化”した方が、制度的に圧倒的に優遇されているのです。
経費の活用で税金を最小化する方法
法人化の最大の魅力は「何を経費にできるかの自由度が高い」ことです。
法人だからできる経費活用術
- 家族に支払う役員報酬(例:配偶者に年96万円)
- 自宅兼オフィスの家賃や通信費
- 書籍・セミナー参加費
- 出張費(日当制度で1日あたり数千円~数万円もOK)
出張日当は、なんと国家公務員の制度を参考に合法的に運用可能。
旅費や交通費以外にも「日当」として経費処理ができるのは、法人だけの特権です。
法人化による社会保険料の最小化も可能
健康保険料・年金などの社会保険料は、収入が増えるほど負担も増えます。
しかし、マイクロ法人で役員報酬を最小限に設定すれば、社会保険料も最低限に抑えることが可能です。
従業員が自分や家族のみであれば、社会保険の強制加入義務がないケースもあるため、任意加入を選ぶこともできます。
FAQ
Q1: マイクロ法人を作るにはどれくらい費用がかかりますか?
A1: 登記費用などで初期費用として10~20万円程度が目安です。
Q2: 年収が少なくても法人化する意味はありますか?
A2: 年収300万円以上が1つの目安です。それ以下の場合は青色申告の方が向いている可能性もあります。
Q3: サラリーマンでも法人を作れますか?
A3: 副業可能な会社であれば可能です。ただし、勤務先の就業規則や副業ルールは必ず確認しましょう。
Q4: 違法ではないの?
A4: 法律に基づいた合法的な制度です。税理士や行政書士のサポートを受ければ安心です。
まとめ
『新・貧乏はお金持ち』で語られているのは、“知らないと損する”税制の仕組みと、
“知っていれば合法的に節税できる”生き方の選択肢です。
ポイントをおさらいしましょう:
- サラリーマンは税金と社会保険料で“搾取”されている
- 法人税の方が低く、経費計上の自由度も高い
- マイクロ法人で税金・保険料の合計を劇的に減らせる
- 誰でも活用できるスキームで、年収300万円から効果あり
現代の“格差社会”を逆転する手段は、特別な才能でも資産でもありません。
「知っているかどうか」――それだけで、人生が大きく変わる時代なのです。

