日本経済が30年以上も低迷し続けている理由は、単なる「景気の波」ではありません。実はその根底にあるのが、消費税と株主資本主義による「国民消費力の抑制政策」だと指摘する専門家が増えています。本記事では、参政党の安藤裕氏による解説をもとに、トランプ関税と消費税の関係性、そして日本が抱える構造的な経済問題について、わかりやすく解説します。
消費税は輸出企業の「補助金」だった?
多くの人が見落としがちな事実、それは消費税(付加価値税)は輸出企業にとって“補助金”の性質を持っているという点です。
- 消費税は輸出時に還付される
日本国内で作った製品を海外に輸出する際、その製品にかかった消費税は戻ってきます。これにより、輸出企業は実質的にコスト削減が可能になり、価格競争力が高まる仕組みになっています。 - アメリカにとっては“非関税障壁”
トランプ政権が問題視したのがこの仕組みです。アメリカ企業が日本に輸出する場合は、逆に輸入消費税が課されるため、実質的に関税のような役割を果たしているとして、フェアな競争ではないと批判されています。
アメリカが問題視する「国民の消費抑制政策」とは
トランプ政権のファクトシート(政策概要書)には、次のような指摘があります。
「中国・ドイツ・日本・韓国は、国内消費を抑制し、輸出競争力を人為的に高めてきた。」
この「消費抑制政策」とは何か?安藤氏は次のように分析します。
- 消費税の導入と増税
- 労働者賃金の抑制
- 株主資本主義の推進(株主優遇)
これらはすべて、国内の購買力を削り、企業が利益を株主に還元しやすくする政策です。これにより、日本国内の消費は冷え込み、企業は成長を輸出に頼るようになりました。
株主資本主義がもたらした弊害
過去30年にわたる日本の構造改革は、すべて「株主の利益最大化」に向けて進められてきました。
- 自社株買いの解禁
- 株主代表訴訟の手続き簡素化
- 社外取締役の義務化
- 四半期決算制度の導入
- ストックオプションの解禁
これらの改革により、企業は賃金を抑えて株主に利益を集中させる経営を強いられ、結果的に国内消費が長年にわたって抑制されてきたのです。
トランプ関税は「警告」だった
トランプ政権の関税政策は単なる貿易摩擦ではなく、国民の消費力を犠牲にした輸出依存体制への警鐘だったといえます。
つまり、「国内を犠牲にしてまで輸出で儲けようとするな」というメッセージが込められているのです。
日本に必要なのは「内需主導型モデル」への転換
これまでの“間違った改革”から脱却するために、日本が進むべき方向は明確です。
- 消費税の廃止
- 国民負担率の見直し(例:上限35%)
- 賃金引き上げによる消費活性化
- 国内生産と自給率の強化
安藤氏は「国内で完結できる経済モデルを構築し、余剰分を輸出する形が本来あるべき姿」と主張します。これは食料・エネルギーの分野にも通じる重要な考え方です。
FAQ
Q1:消費税は本当に輸出補助金なの?
A1:制度上は「税還付」という形式ですが、実態としては輸出企業の競争力を高める構造になっており、アメリカなどからは「不公正な補助金」とみなされています。
Q2:国民負担率とは?
A2:税金や社会保険料など、国民の所得に対する負担の割合です。現在の日本は約48%に達しており、安藤氏はこれを35%以下に抑えるべきと提案しています。
Q3:なぜ今、内需主導経済が求められるの?
A3:グローバル経済の不安定化や地政学リスクの増加により、輸出依存は危険です。国内消費を軸に経済を回す方が安定性が高く、持続可能性も増します。
まとめ
日本経済が再生するためには、今までの「輸出依存」「株主優先」「消費税増税」といった誤った政策から脱却する必要があります。消費税は単なる税ではなく、経済の構造をゆがめる“仕組み”の一部であることを理解しましょう。
今こそ、国民一人ひとりの購買力を高め、内需主導の経済モデルへとシフトする大転換が必要なのです。

