「幸せになろう」に違和感を覚えるあなたへ──ポジティブ思考が響かない理由

運気の変化 スピリチュアル

「幸せをイメージすれば、幸せが引き寄せられる」
「ワクワクする気持ちを大切にすれば、人生はうまくいく」
「自分は輝く存在だと信じよう」

そんな言葉に、あなたは違和感を覚えたことはありませんか?

私はあります。そして、その違和感は決して間違っていないと今では思っています。

スピリチュアル的幸福論が響かない理由

ポジティブ思考やスピリチュアル的な幸福論は、「今がつらくても、前向きにいれば道は開ける」と語りかけてきます。
でも、現実には簡単に前を向けない人がいます。

過去に傷ついた経験のある人、責任や苦しみの中で日々を耐えている人、守ってくれる存在のない人。
そういう人にとって、「幸せをイメージしよう」という言葉は、むしろ重荷になることがあります。

それは時に、「あなたの不幸は、考え方がネガティブだからだ」と言われているように感じるからです。

幸せを追い求めることが、苦しみを否定することになるとき

哲学者ヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所という極限状態の中でこう語りました。

「人は幸福を追求するのではなく、生きる意味を問う存在である」

「幸せになれるかどうか」ではなく、
「この苦しみにどう意味を見出すか」こそが、人間にとって本質的な問いなのです。

ネガティブな感性は“現実に向き合う力”でもある

ポジティブ思考は、現実から目をそらす手段になることもあります。
一方で、ネガティブな感性は、現実の重さから目をそらさずに生きようとする、誠実な姿勢です。

「自分は幸せに輝く存在だ」と言えないことは、悪いことではありません。
それは、現実の苦しさや暗さを知っているからこそ、軽々しく光を語れないだけなのです。

幸せとは、「逃げずに生き抜いたその人」にだけ宿るもの

私たちは、無理に幸せを装わなくてもいいし、無理に前を向かなくてもいい。
苦しみと向き合いながら、逃げずに生きているだけで、すでに十分に価値があるのです。

表面的な「幸せ」にとらわれず、ただ「生きている意味」や「誠実に向き合う姿勢」を大切にしていく。
それが、もしかすると本当の幸福への道なのかもしれません

さいごに

「幸せを思い描こう」という言葉に違和感を覚えるあなたへ。

それは、あなたの感性が鈍いからではありません。
むしろ、現実に対して誠実に向き合っているからこそ生まれる違和感です。

そのままで大丈夫です。
ネガティブなまま、誠実に生きることが、あなたにしか築けない人生の意味を照らしてくれます。

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