札幌市南区にある体験型動物園「ノースサファリサッポロ」が、2025年9月末をもって閉園することを発表しました。運営会社であるサクセス観光は、法令上の問題を重く受け止めた結果としており、閉園の決定に至ったと説明しています。
本記事では、ノースサファリサッポロの閉園に至った経緯や、約500匹の動物たちの今後について詳しく解説します。
ノースサファリサッポロが閉園を決定した理由
約20年間にわたる無許可営業
ノースサファリサッポロは、2005年に開業し、20年近くにわたり運営されてきました。しかし、その間に建設された施設の多くが無許可で建築されたものであることが判明。市街化調整区域内での違法建築が問題視され、札幌市は建物の撤去を求めていました。
さらに、適切な許可を得ずに動物を展示していた点も指摘され、動物福祉の観点からも問題が浮上していました。これらの違反行為が閉園の大きな要因となったと考えられます。
運営会社の対応と代表の辞任
運営会社であるサクセス観光は、法令違反を認めるとともに、施設の撤去計画を札幌市に提出しました。また、無許可営業の責任を取る形で、同社の代表取締役が辞任を表明しています。
約500匹の動物たちはどこへ?
閉園後に課題となるのは、園内で飼育されている約500匹の動物たちの行き先です。運営会社は、すべての動物を適切な施設へ移動させる方針を示していますが、以下の点が懸念されています。
短期間での移転は困難
閉園は2025年9月末ですが、すべての動物の移転が完了するのは閉園から半年後と見込まれています。しかし、短期間で多くの動物を適切な受け入れ先へ移動させることは容易ではなく、専門家の間では「すべての動物が無事に移転できるのか」という不安の声も上がっています。
大型動物の受け入れ先が未定
特に、猛獣や大型の動物は移転先の確保が難しいとされています。国内の動物園や保護施設への受け入れが検討されていますが、すでに多くの施設が満員状態であり、新たな受け入れ先を見つけるのは容易ではありません。
閉園による影響と今後の課題
地域への影響
ノースサファリサッポロは、観光名所として多くの来場者を集めていました。特に、動物とのふれあい体験が人気で、家族連れや観光客に親しまれていました。そのため、閉園により地域の観光業にも影響が出る可能性があります。
動物福祉の課題
過去の事例では、閉園した動物園で移転が間に合わず、一部の動物が放置される問題が発生したこともあります。今回のケースでも、適切な移転が行われない場合、動物の福祉が損なわれる可能性があり、慎重な対応が求められます。
FAQ
Q1. ノースサファリサッポロはいつ閉園しますか?
A1. 2025年9月末に閉園予定です。
Q2. 動物たちはどこへ移動するのですか?
A2. 国内の動物園や保護施設へ移転予定ですが、詳細は未定です。
Q3. なぜノースサファリサッポロは閉園するのですか?
A3. 無許可建築や法令違反が問題となり、運営継続が困難になったためです。
Q4. 閉園後の施設はどうなりますか?
A4. 2029年12月までに建物の撤去が進められる予定です。
まとめ
ノースサファリサッポロの閉園は、長年の無許可営業や法令違反が影響した結果です。運営会社は、すべての動物を適切な施設へ移転させる計画ですが、大型動物の受け入れ先が確保されていないなどの課題も残っています。
今後、動物たちの安全な移転が確保されることが重要であり、関係機関の慎重な対応が求められます。

