JD・ヴァンス副大統領がミュンヘン安全保障会議で欧州のリーダーたちに向けた演説を行い、EUの民主主義の後退、言論の自由の抑圧、移民政策の失敗について厳しく指摘しました。
ヴァンス副大統領、EUに警鐘を鳴らす
2025年、トランプ政権の副大統領であるJD・ヴァンス氏は、ドイツのミュンヘンで開催された安全保障会議に出席し、欧州の現状について強烈な警告を発しました。彼は、ロシアや中国といった外部の脅威よりも、EU自身が民主主義の価値観から後退していることこそが最大の問題であると指摘しました。
「欧州は、我々アメリカと共有する民主主義の価値観から後退している。それが最も危険な脅威だ。」とヴァンス氏は述べ、欧州各国の政府が国民の声を無視し、選挙の無効化や言論の規制を進めていることを批判しました。
選挙の無効化と言論の自由の抑圧
ヴァンス副大統領は、最近ルーマニアで起こった大統領選挙の結果が政府によって無効化された事例に言及し、こうした動きがドイツを含む他のEU諸国にも広がる可能性があると警告しました。
「民主主義を守るためにウクライナを支援しながら、欧州の国々が自ら選挙を無効にし、言論の自由を制限している。これは矛盾している。」
彼はさらに、イギリスで起こった宗教的自由の侵害についても言及。あるイギリス人男性が中絶クリニックの近くでただ黙って祈っていただけで警察に逮捕されたことを例に挙げ、「宗教的信念を持つことすら罰せられる社会になってしまった」と警鐘を鳴らしました。
また、欧州の政府がSNSの規制を強化し、政府が「不適切」と判断した情報を削除する権限を拡大していることも批判。「冷戦時代に言論を弾圧したのは誰だったのか? それはソ連だ。だが、今の欧州はかつてのソ連と同じ道を歩んでいるのではないか?」と指摘しました。
移民政策の失敗と欧州の安全保障問題
ヴァンス副大統領は、欧州における移民問題にも言及し、最近ミュンヘンで発生した移民による重大犯罪事件を例に挙げました。
「なぜこのようなことが起きたのか? それは政治家が意図的に移民の受け入れを拡大し、社会を混乱させたからだ。欧州の人々は、そんな政策に賛成票を投じた覚えはない。」
彼は、イギリスのEU離脱(ブレグジット)のように、欧州の多くの国で移民政策を厳格化することを公約に掲げる政党が支持を拡大していることに触れ、「それが国民の意志だ」と強調しました。
「民主主義を守るために国民の声を聞け」
演説の締めくくりとして、ヴァンス副大統領は欧州の指導者たちに向けて、次のように呼びかけました。
「あなた方が恐れるべきはロシアでも、中国でもない。自国民の声を無視することこそ、最大の脅威である。」
また、欧州各国の政府が「偽情報」や「外国の選挙介入」を理由に、反対意見を封じ込める動きがあることにも言及。
「もしあなた方の民主主義が、たった数百件のSNS広告で崩壊するような脆弱なものなら、それは最初から真の民主主義ではなかったのではないか?」
最後に、ヴァンス副大統領は、ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用しながら、「恐れるな!」と欧州の人々に向けてエールを送りました。
まとめ
JD・ヴァンス副大統領の演説は、欧州における民主主義の後退、言論の自由の侵害、移民政策の問題を鋭く指摘し、欧州の指導者たちに強い警告を発する内容となりました。
「国民の声を聞かない限り、民主主義は守れない。」
ヴァンス副大統領のこの言葉が、今後の欧州の政策にどのような影響を与えるのか注目されます。