つい布団の中でスマホを見続けてしまい、気づけば夜更かし…。翌朝後悔するのに、なかなかやめられない。そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
実はこの「就寝先延ばし」には、意志の弱さではなく“ある心理的要因”が深く関わっていることが最新研究でわかっています。この記事では、その正体と改善のための具体的な方法を解説します。
就寝先延ばしは「自己効力感」が低い人に多い
ワシントン大学が2024年に発表した研究によると、自己効力感が低い人ほど寝るのを先延ばしにする傾向があると判明しました。
特に注目すべきは 「時間に対する自己効力感」 です。これは「自分は時間をうまく扱える」「時間を守れる」といった感覚のこと。
この感覚が低い人は、「寝よう」と思ってもSNSや動画をやめられず、気づけば深夜まで起きてしまいます。つまり、眠れないのは性格の問題ではなく「時間をコントロールできない」という自己不信が原因なのです。
なぜ夜にSNSがやめられないのか
夜に強く働くのが FOMO(Fear Of Missing Out=取り残され不安) です。
「みんな何か楽しそうなことをしているのでは?」「自分だけ置いていかれるのでは?」という気持ちが、スマホを手放せなくさせます。
さらにSNSは「通知」や「いいね」といった予測不能の報酬を小出しに与える仕組み。これはパチンコと同じ構造で、脳の報酬系を過剰に刺激し、やめ時を見失わせます。
その結果、「寝る=今日を終える=何も得られない」という誤った思考に陥り、布団の中でダラダラ過ごしてしまうのです。
今日からできる就寝先延ばし改善法
1. タイムボクシングを取り入れる
やることを「いつやめるか」まで決めて行動する方法です。
例えば、夜10時にスマホを閉じるとスケジュールに書いてしまいましょう。終わりの時間を仕組みとして先に決めることで、脳が「ここで終わる」と理解しやすくなります。
2. 意図的に途中でやめる練習
SNSや動画をあえて途中で中断してみましょう。続きが気になる気持ちを受け入れることで、FOMOをコントロールするトレーニングになります。
3. 「やらなかったこと」を記録する
ToDoリストだけでなく、「今日はAmazonを開かなかった」「推しのSNSを追わなかった」といった“やめられたこと”を記録しましょう。
これによって「自分は時間を選べる」という実感が育ち、自己効力感の回復につながります。
FAQ
Q1: 布団に入ってからついスマホを見てしまうのをやめたいです。どうすればいい?
A1: スマホを寝室に持ち込まないのが最も効果的です。どうしても必要な場合は、就寝時間をアラームで知らせるアプリを活用すると良いでしょう。
Q2: FOMOが強くてSNSをやめられません。改善できますか?
A2: 完全に消すことは難しいですが、「通知をオフにする」「SNSを開く時間を1日2回に限定する」などで徐々に軽減できます。
Q3: 翌朝に備えて早く寝たいのに眠れないのは自己効力感が原因?
A3: はい。自分を信頼できないと「今日を終えられない」気持ちになり、眠りを妨げます。小さな達成感を積み重ねて自己効力感を高めることが改善につながります。
まとめ
- 就寝先延ばしの原因は「意志の弱さ」ではなく 時間に対する自己効力感の低さ
- 夜はFOMOが強まり、SNSや動画の「小さな報酬」がやめられなくなる
- 改善には「タイムボクシング」「意図的な中断」「やらなかったことの記録」が効果的
きちんと眠れるようになることは、明日の自分に時間を投資することでもあります。小さな工夫から始めて、自己効力感を育てながら快眠習慣を身につけてみてください。

