【2025年改正】厚生年金の積立金が基礎年金に流用される?年金改革法案の真相と会社員への影響を徹底解説

政治・経済学

2025年、年金改革法案が国会で成立する見込みとなり、「厚生年金の積立金が国民年金(基礎年金)の底上げに使われる」というニュースが大きな注目を集めています。特に会社員の間では、「自分たちの積立金が他の制度に使われるのは納得できない」という声も多く聞かれます。

本記事では、この年金改革の全体像と背景、問題点、会社員が損をするのはいつ・どのような人なのか、そして今後の対応策まで初心者にもわかりやすく解説します。

※2025年6月時点の情報です。今後変更になる場合があります。

日本の年金制度の全体像をおさらい

日本の公的年金制度は、主に以下の3つの区分に分かれています。

  • 国民年金(基礎年金):自営業者・学生・無職者などが対象
  • 厚生年金:会社員が対象。会社と本人が折半で保険料を支払う
  • 第3号被保険者:会社員の配偶者(年収130万円未満)で保険料負担なしで国民年金に加入できる立場

老後に受け取る年金は以下のようになります。

  • 国民年金加入者 → 基礎年金のみ(年間約80万円)
  • 厚生年金加入者 → 基礎年金+報酬比例部分(現役時の給与に応じて変動)

改正の背景にある「年金財政の危機」

日本の年金制度は「賦課方式」と呼ばれる仕組みで、現役世代が支払った保険料をそのまま高齢者の年金として支給しています。しかし、少子高齢化の進行により収支のバランスが崩れてきているのが現状です。

2004年の改革では「マクロ経済スライド」という制度を導入し、年金の伸びを物価や賃金の上昇よりも抑えることで100年間制度を持たせようとしましたが、物価や賃金が伸びず機能不全に陥ってきました。

その結果、年金財政の健全性を表す「所得代替率」(現役世代の給与に対する年金支給額の割合)が思ったほど下がらず、改革のやり直しが求められてきたのです。

2025年年金改革法案の主なポイント

1. 基礎年金の底上げ(特に自営業者・非正規雇用者向け)

国民年金(基礎年金)だけでは老後に生活できない人が多く、将来的には現役収入の25%程度しかもらえなくなる見込みです。そこで、基礎年金の給付水準を引き上げる必要があるとされました。

2. 厚生年金の積立金を国民年金に活用

基礎年金の底上げの財源として、

  • 国の税金負担の増加
  • 厚生年金の積立金の流用

が盛り込まれました。これが会社員にとって大きな不満となっている理由です。

3. 調整期間の短縮

本来33年かけてゆるやかに調整されるはずだった年金制度を12年で一気に改革することにより、より早く給付のバランスを整えようという方針になりました。

なぜ会社員が不満なのか?

「自分たちの積立金を勝手に使われた」という感覚

厚生年金の積立金は、会社員と企業が折半で支払ってきた大切な財源です。それを国民年金の底上げに使うというのは、「負担ばかり増えて見返りがない」と感じられても無理はありません。

また、厚生年金には「運用益」もあり、現在は約258兆円もの積立金がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって管理されています。この運用益も国民年金に使われるということで、「せっかくの成果が横取りされた」と感じる人も。

高所得の会社員ほどメリットが少ない

今回の底上げで恩恵を受けるのは、基礎年金の比率が高い人(=低所得者)です。高所得の会社員は基礎年金部分が少ないため、影響がほとんどなく、実質的に「払うだけ損」となる可能性があります。

一体、誰が損をするのか?

動画の解説によると、明確に損をするのは以下の層です:

  • 現在64歳以上の男性
  • 現在68歳以上の女性

これらの層は「新制度の底上げの恩恵を受けられない」「調整の過程で厚生年金が減額される可能性がある」ため、不公平感が生まれることになります。

今後の課題と対策は?

■ さらなる税金投入 or 制度見直し

立憲民主党の提案では、

  • 制度の見直しを2029年に再検討
  • 損をする層への特別手当を支給

といった対応策が挙げられました。しかし現段階では、厚生年金の積立金の流用はそのまま実施予定です。

■ 経済成長が根本解決に

動画では「経済成長すれば年金の問題も解消する」とも指摘されています。賃金や物価の上昇が実現すれば、現在の見通しよりも年金の給付水準は上がる可能性があります。

FAQ

Q1: 厚生年金の積立金はどうやって運用されているの?
A1: GPIFという独立行政法人が株式や債券などに分散投資を行い、これまでに累計164兆円以上の運用益をあげています。

Q2: 国民年金だけの人は将来どれくらいもらえるの?
A2: 年間約80万円程度。現役収入の25%程度になる見込みで、生活に十分とは言えません。

Q3: 会社員が将来損をする可能性はある?
A3: 現時点では64歳以上の男性、68歳以上の女性が損をする可能性がありますが、今後の経済状況次第で見直されることもあります。

まとめ

2025年の年金改革法案では、国民年金(基礎年金)の底上げが大きな目玉となり、厚生年金の積立金が財源として使われることが大きな論争を呼んでいます。制度としては「助け合い」の理念に基づいていますが、実質的な負担増に直面する会社員にとっては不満が残る内容でもあります。

将来的に年金制度がどうなるかは、日本の経済成長にも大きく左右されるため、今後の動向に注目が必要です。

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