コスパばかり追い求めるZ世代へ 無駄こそが人生を豊かにするという東浩紀さんの教え【若者・哲学・未来の生き方】

心理学・哲学

「コスパ」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」といった言葉がZ世代の間で当たり前になっている現代。しかしその思考の行き着く先に、どんな未来が待っているのでしょうか?
この記事では、哲学者・東浩紀さんが語った「コスパ思考の末路」について、若者目線で分かりやすくまとめます。

コスパ思考が支配するZ世代の価値観とは?

現代の若者は、行動のすべてに「費用対効果」や「時間対効果」を求めがちです。以下のような思考が典型です。

  • この努力は将来役に立つか?
  • この体験は就職に有利か?
  • この人と会う意味ある?

このような「目的の明確化」が先に立ちすぎると、非合理的なこと=無駄として排除されていきます。

しかし、東さんはそれに疑問を投げかけます。

「無駄があるからこそ人生は豊かになる」

無駄の中にこそ可能性が眠っている

Z世代にとって「無駄なことをする勇気」はどんどん失われています。
でも実は、多くの大人たちが振り返ったときに「役立たないと思ってやったことが、あとから大きな意味を持った」と語っています。

例えば、こんな無駄が将来に繋がるかも?

  • 興味本位で読んだジャンル違いの本
  • 友達に誘われて行った不慣れなキャンプ
  • 予定のない日にふらっと出かけた旅

これらはすべて、短期的なコスパでは測れないけれど、視野や経験を広げる「種」になります。

コスパ重視の先に待つ「老害化」とは?

東さんの主張の中でも特に印象的だったのが、次の言葉です。

「老害とは、コスパを突き詰めた結果である」

人は年を重ねると、時間や人間関係において「無駄を省く」ことが上手になります。
しかしその結果、視野が狭くなり、新しいものを受け入れなくなる傾向が強まります。

つまり、「若いうちから無駄を排除してコスパ最適化を目指す」と、早期に老化(思考の硬直)が始まる可能性があるのです。

外の世界に出よう 無駄な行動が脳を活性化させる

東さんは「無駄」の象徴として、バーベキューやキャンプを例に挙げています。

  • 火がうまくつかない
  • 道具の使い方がわからない
  • 虫が出る

こういった“非効率な現実”を体験することで、自分の想像力や判断力、好奇心が鍛えられるというわけです。
また、他人とのやり取りの中で「言語外の情報」も学べると語っています。

無駄こそが「豊かさ」の本質である

最後に、東さんのメッセージの核心を紹介します。

「豊かさとは、無駄を含む時間のこと」

すぐに結果が出る、意味が分かる、使い道がある。
そうした「効率」ばかりを追う社会の中で、あえて非効率で非合理的な行動を取ることが、人間らしさと豊かさを取り戻す第一歩なのです。

FAQ

Q1: コスパを意識するのってそんなに悪いこと?
A1: 意識すること自体は悪くありませんが、それがすべての判断基準になると「経験の幅」が極端に狭くなり、後から後悔する可能性があります。

Q2: 無駄なことをするのが怖いです…
A2: 若いうちは「無駄と思えること」からこそ、自分の個性や新しい視点が見つかることが多いです。失敗を恐れず、一歩踏み出してみましょう。

Q3: 具体的に何をすればいい?
A3: 例えば、興味のない分野の本を読む、普段会わないタイプの人と会話する、1人で旅に出る、バーベキューをやってみる…など、「ちょっとめんどくさい」ことに挑戦してみましょう。


まとめ

Z世代に広がる「コスパ思考」は、確かに合理的で効率的です。
でもその先にあるのは、**硬直した思考、狭まった人間関係、そして“老害化”**かもしれません。

若いうちはコスパが悪くて当たり前。
むしろ、コスパが悪い行動の中にこそ、未来につながるヒントが眠っています。

ぜひ、自分の好奇心のままに、無駄なことを恐れず生きていきましょう。

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