ガソリン税の暫定税率はなぜ廃止されないのか?税金が減らない本当の理由を税理士がわかりやすく解説【2025年最新】

政治・経済学

ガソリン価格の高騰が続く中、多くのドライバーが期待していた「ガソリン減税案」。しかし、2025年3月、ガソリン税の暫定税率の廃止案はまさかの否決となりました。

この記事では、なぜガソリン税が減らないのか?また、今後車にかかる税金がどう変わる可能性があるのかについて、税理士による解説をもとに詳しくご紹介します。

自動車にかかる税金の全体像

まずは、車に関連する主な税金を見てみましょう。

車を「買うとき」にかかる税金

  • 消費税(10%)
  • 環境性能割(最大3%)
    • 旧「自動車取得税」に代わって導入されたもの
    • 電気自動車などは非課税

車を「保有しているとき」にかかる税金

  • 自動車税(毎年)
  • 重量税(車検時)

車を「使うとき」にかかる税金

  • ガソリン税
  • 暫定税率(ガソリン税に上乗せされている税)

このように、日本では車に乗るたびに多くの税金が重なっているのが現状です。

なぜ「暫定税率」は廃止されないのか?

「暫定税率」とは、本来は一時的な措置として始まったガソリン税の上乗せ分(25.1円/L)のこと。ところが、すでに50年以上継続しており、実質的には恒久的な税金になってしまっています。

暫定税率が廃止されない背景には、以下のような事情があります。

  • 国の財政が逼迫しており、税収を減らしたくない
  • 暫定税率をやめても別名の新税で取り戻す動きがある
  • 例:自動車取得税を廃止 → 環境性能割に変更

「名前を変えて税を取り続けるのが財務省の常套手段」という指摘も。

今後検討されている新たな税制案

特に注目されているのが、「走行距離課税」という新しい仕組みです。

  • 走った距離に応じて税金を課すという考え方
  • 燃費が良い=税収が減る → 財源確保のための新手法
  • 地方在住者にとっては特に大きな負担になる可能性あり

この仕組みが導入されれば、ガソリン車はもちろん、電気自動車にも課税される道が開かれることになります。

ガソリン税改革への政治的な動きはあるのか?

2025年3月時点では、立憲民主党や国民民主党が「ガソリン暫定税率の廃止法案」を提出する動きを見せています。しかし、与党や他の政党との調整が難航しており、成立の見込みは不透明です。

  • 立憲・国民 → 廃止に積極的
  • 維新の会 → 教育政策とのバーターで見送り
  • 与党(自民党)→ 財源確保を優先して慎重姿勢

車業界への影響と国民生活

このまま税負担が重くなり続ければ、車離れがさらに進行し、日本の自動車産業にも深刻な影響が出かねません。

  • 自動車業界は既に景気後退傾向
  • 高いガソリン代+税金=若者の車離れ
  • 日本の基幹産業である自動車業界の未来が危うい

FAQ

Q1: ガソリン税っていくらかかっているの?
A1: ガソリン1リットルあたりに対して、ガソリン税(本則税率)+暫定税率(上乗せ)で合計約53.8円が課税されています。

Q2: 環境性能割とは何?
A2: 排ガス性能や燃費性能など「環境に優しいかどうか」に応じて、自動車の取得時に最大3%課税される税金です。

Q3: 暫定税率が廃止されたら道路整備が止まるの?
A3: 一部ではそういう主張もありますが、本来は「重量税」など他の財源があるはずで、暫定税率を存続させる理由にはなりません。

まとめ

日本のガソリン税をはじめとする自動車関連の税金は、非常に複雑で重い負担になっています。
今回の暫定税率廃止案の否決は、その背景にある「税収を減らしたくない政府・財務省の本音」を浮き彫りにしました。

  • 自動車関連税の一本化や減税が進まない限り、車の維持コストは今後も高止まりが続く可能性大
  • 環境性能割や走行距離課税など、新しい形での課税も視野に
  • 今後の政策動向には、私たち一人ひとりの関心と投票行動が重要です

生活を守るためにも、「どこにどんな税金がかかっているのか」を知ることから始めてみましょう。

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