2025年4月から、失業保険制度が大きく変わります。これまで自己都合退職の場合、失業保険の支給開始まで3カ月かかっていましたが、改正後は約2カ月に短縮。さらに10月には、新たな教育訓練給付金がスタートし、スキルアップのための支援が手厚くなります。この記事では、最新の改正ポイントを詳しく解説します。
2025年4月からの失業保険の改正内容
自己都合退職者の給付制限期間が短縮
これまで自己都合退職の場合、失業保険を受け取るまでに以下の流れがありました。
- 退職後すぐにハローワークで求職申し込み
- 7日間の待機期間
- 2カ月間の給付制限(合計3カ月後に支給開始)
改正後は、給付制限が1カ月に短縮され、退職後約2カ月で支給が開始されるようになります。
▼ 改正後の流れ
- 退職後すぐにハローワークで求職申し込み
- 7日間の待機期間
- 1カ月の給付制限(合計約2カ月後に支給開始)
これにより、金銭的な負担が軽減され、転職活動のハードルが下がります。
教育訓練を受けると給付制限なし
「公共職業訓練」や「教育訓練給付金の対象講座」を受講する場合、従来は給付制限なしで失業保険を受け取ることができましたが、今回の改正ではその対象がさらに拡大します。
2025年4月以降の対象者
- 公共職業訓練を受ける人
- 教育訓練給付金の対象講座を受ける人(新規追加)
これにより、スキルアップを目的として退職した人も、より早く失業保険を受給できるようになります。
育児休業給付金が「手取り10割」支給へ
育児休業給付金の支給額が見直され、現在の「手取りの8割」から「実質10割(満額)」に引き上げられます。これにより、育休取得時の収入減少を気にせず、安心して育児に専念できる環境が整います。
2025年10月から新しい給付金制度がスタート
① 教育訓練休暇給付金の新設
「教育訓練休暇給付金」とは、働きながらスキルアップを目指す人向けの新制度です。
制度のポイント
- 会社の協力を得て、給与なしで休暇を取り、学習に専念できる
- 90日~150日間、失業保険と同額の給付金を受け取れる
- 雇用保険加入5年以上の人が対象
これにより、仕事を辞めなくてもスキルアップが可能になり、キャリアアップの選択肢が広がります。
② 「リスキリング支援融資制度」の創設
リスキリング(学び直し)を支援する新たな融資制度が開始されます。
制度の特徴
- 教育訓練費用と生活費を最大年間120万円(最大2年間)借りられる
- 金利2%で無担保・無保証
- 転職後に賃金が10%以上アップした場合、最大50%の返済免除
これまでフリーランスや無職期間が長い人は、雇用保険の支援を受けにくかったですが、本制度により、学び直しを通じた再就職がしやすくなります。
2028年10月にはパート・アルバイトの雇用保険加入条件が緩和
現在、雇用保険に加入できるのは「週20時間以上働く労働者」ですが、2028年10月からは「週10時間以上」に変更されます。
対象となる人
- 週2日 × 5時間など、短時間労働のパート・アルバイト
- 雇用保険に加入することで、失業保険や育児休業給付金を受け取れるように
これにより、パート・アルバイトの働き方が大きく変わる可能性があります。
FAQ
Q1: 2025年3月31日以前に退職した場合、新制度は適用されますか?
A1: いいえ。 新制度の適用を受けるには、2025年4月1日以降に退職する必要があります。 3月31日までに退職した場合は、従来の「3カ月の給付制限」が適用されます。
Q2: 失業保険の受給開始を早めるにはどうすればいいですか?
A2: 教育訓練給付金の対象講座を受講することで、給付制限がなくなります。ただし、退職前に申し込む必要があるため、早めの準備が重要です。
Q3: 教育訓練休暇給付金はどのような人が利用できますか?
A3: 雇用保険に5年以上加入している人が対象です。また、受講する講座が国の指定する教育訓練である必要があります。
まとめ
2025年4月と10月に行われる雇用保険の改正により、失業時やキャリアチェンジの際の支援が強化されます。
ポイントまとめ
✅ 自己都合退職でも、失業保険の支給開始が約1カ月早まる
✅ 育児休業給付金は実質満額支給に
✅ 教育訓練を受けると、失業保険の給付制限がなしに
✅ 10月から教育訓練休暇給付金がスタート(仕事を続けながら学べる)
✅ リスキリング支援融資制度で最大50%の返済免除
✅ 2028年からパート・アルバイトの雇用保険加入条件が週10時間に緩和
特に「学び直し」や「スキルアップ」を支援する制度が充実しており、転職やキャリアアップを考えている人にとって大きなチャンスです。今後の詳細な発表にも注目しましょう!