2025年から、これまでの「103万円の壁」に代わり、新たに 110万円・123万円・150万円・160万円の壁 などが設定される見込みです。特に、パートやアルバイト、学生のバイト収入などに影響を与える可能性が高いため、正確に理解しておくことが重要です。
この記事では、2025年から適用される可能性がある新しい年収の壁について詳しく解説します。
※2025年の「年収の壁」については、現在国会で議論が続いており、確定事項ではありません。今後、変更の可能性もあるため、最新の情報をチェックすることが重要です。
2025年からの「年収の壁」の変更点
これまでの年収の壁
これまでの年収の壁には、主に以下のような基準がありました。
- 103万円の壁：所得税がかからないライン
- 100万円の壁：住民税がかからないライン（地域によって異なる）
- 130万円の壁：社会保険の扶養に入れるかどうかのライン
- 150万円の壁：配偶者控除の満額が適用されるライン
- 106万円の壁：企業の社会保険適用基準（従業員50人以上の企業で適用）
これらの壁を超えると、税負担や社会保険料負担が発生し、手取りが減ってしまうため、多くの人が年収を調整していました。
2025年からの年収の壁の変更点
2025年から、「5つの壁」が新たに設定される予定です。
- 110万円の壁（住民税の発生ライン）
- 住民税の基準が100万円から110万円に引き上げられる見込み（地域によって異なる）。
- これを超えると、住民税が発生する可能性があります。
- 123万円の壁（扶養家族の扶養条件）
- これまで103万円だった扶養家族の壁が123万円に引き上げられる見込み。
- 103万円を超えても、20万円ほど多く働けるようになります。
- 150万円の壁（大学生の特定扶養控除）
- 19～22歳の大学生が親の扶養に入れる年収の基準が、103万円から150万円へ。
- これにより、学生がバイトで稼げる金額が増えます。
- 160万円の壁（所得税の発生ライン）
- 所得税の基準が103万円から160万円に引き上げられる見込み。
- 所得税が発生するラインが大きく上がるため、働ける範囲が広がる。
- 130万円の壁（社会保険の扶養条件）
- 社会保険の扶養に入るための年収上限（130万円）は現状維持。
- 企業の規模によっては106万円の壁も重要。
「年収の壁」を超えるとどうなる？
110万円の壁を超えると…
- 住民税が発生する（ただし、地域によっては108万円や103万円の場合もあり）。
- 大きな負担増にはならないが、手取りは減る。
123万円の壁を超えると…
- 扶養家族としての控除が受けられなくなる可能性あり。
- ただし、103万円より20万円多く働けるメリットもある。
150万円の壁を超えると…
- 大学生の特定扶養控除が受けられなくなる。
- それでも103万円よりは余裕ができたので、バイト収入を増やしやすい。
160万円の壁を超えると…
- 所得税が発生し始める。
- 住民税や社会保険料も合わせると、手取りが減少する可能性。
130万円の壁を超えると…
- 会社員の配偶者の場合、夫（妻）の扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要が出てくる。
- 自分で健康保険や年金を支払うことになり、負担が一気に増える。
社会保険の壁も重要
税金の壁だけでなく、社会保険の壁も依然として重要なポイントです。
106万円の壁（社会保険の強制加入ライン）
- 従業員数50人以上の企業で働く場合、年収106万円を超えると社会保険の加入義務が発生。
- そのため、106万円の壁を超えないように調整する人も多い。
130万円の壁（配偶者の扶養から外れるライン）
- パートやアルバイトで130万円を超えると、夫（妻）の扶養から外れる。
- 自分で健康保険や年金を支払うことになり、負担が大きく増える。
どの年収の壁を意識すべきか？
| 年収の壁 | 影響 |
|---|---|
| 110万円 | 住民税が発生する |
| 123万円 | 扶養家族の基準（103万円→123万円） |
| 150万円 | 大学生の特定扶養控除（103万円→150万円） |
| 160万円 | 所得税の発生（103万円→160万円） |
| 106万円 | 社会保険の強制加入（企業規模50人以上） |
| 130万円 | 社会保険の扶養から外れる |
よくある質問（FAQ）
Q1. 2025年からは年収103万円を気にしなくてよくなるの？
A1. はい、所得税の基準は160万円に引き上げられるため、103万円を気にする必要はありません。ただし、住民税の基準は110万円のため注意が必要です。
Q2. 130万円の壁を超えると、どれくらいの負担増になるの？
A2. 130万円を超えると、自分で社会保険（健康保険・年金）に加入する必要があります。その分、手取りが大幅に減るため注意が必要です。
Q3. 学生のバイトは150万円まで大丈夫？
A3. はい、大学生（19歳～22歳）の場合、扶養控除の対象が103万円から150万円に拡大されました。バイト収入が増えても親の扶養から外れにくくなります。
まとめ
※本記事の内容は、2025年の「年収の壁」に関する国会での議論をもとに作成しており、確定事項ではありません。今後の法改正により変更される可能性があるため、最新情報を必ず確認してください。
2025年からは、110万円・123万円・160万円など、新たな年収の壁が登場する可能性があります。税金や社会保険の負担を考慮しながら、自分にとって最適な働き方を選びましょう。
