2025年2月15日、北海道旭川市の旭山動物園付近で観光バスを含む10台以上の車両が関与する多重事故が発生しました。この事故では、観光バスが軽乗用車に衝突し、その様子がカメラに捉えられていました。事故当時の状況や原因、そしてその後の対応について詳しく解説します。
事故の概要
事故は午前10時半頃に発生し、ちょうど旭山動物園の開園直後で、多くの観光客が訪れている時間帯でした。この日は晴れていたものの、路面は凍結しており、アイスバーン状態だったといいます。
特に大型の観光バスはその重量からブレーキが効きづらく、一度スリップを始めると制御不能に陥りやすい特徴があります。事故当時の映像では、バスがタイヤを動かすことなく滑走し、軽乗用車に突っ込む様子が捉えられています。
この事故により、4人が負傷し病院に搬送されました。幸いにも命に別状はないものの、事故の影響は大きく、交通渋滞や観光客の混乱を招きました。
事故の原因
1. 圧雪アイスバーンによるスリップ事故
事故が発生した現場は、観光バスや一般車両の往来が多いため、雪が踏み固められて**「圧雪アイスバーン」**と呼ばれる状態になっていました。この状態では、表面が磨かれた氷のようになり、非常に滑りやすくなるため、通常のブレーキ操作では止まりにくくなります。
2. 観光バスの重量と制動距離の長さ
観光バスは乗用車と比べて重量が重いため、制動距離(止まるまでの距離)が長いという特徴があります。今回の事故では、バスが前方の軽乗用車に衝突し、それがさらなる追突を引き起こした可能性が高いとされています。
3. 混雑した交通状況
事故当時、旭山動物園周辺は1日約5000人の観光客が訪れ、50台以上の観光バスが出入りしていたといわれています。こうした状況下では車両同士の距離が近くなり、一度スリップ事故が発生すると連鎖的に多重衝突へと発展しやすくなります。
事故当時の様子
事故の瞬間は周囲の観光客や地元住民のカメラにも捉えられており、SNS上で拡散されました。映像には、バスが制御不能となり滑るように突っ込む様子が映し出され、現場の緊迫感が伝わります。
また、外国人観光客も多く訪れていたため、事故の瞬間に驚きながらカメラを構える姿も確認されました。
事故現場はすぐに警察や消防によって封鎖され、救助活動とともに交通整理が行われました。しかし、観光バスや一般車両が多数関与していたため、現場の混乱は長時間続いたといいます。
事故後の対応と再発防止策
1. バスの通行制限と安全対策の強化
旭川市は事故を受けて、事故現場周辺でのバスの通行を禁止するとともに、スリップ事故を防ぐためのスピード制限や徐行を促す看板を設置しました。
2. 路面凍結対策の強化
現場周辺では、毎朝の砂まきの回数を2回に増やすことが決定されました。これにより、路面の滑りやすさを低減し、アイスバーンを緩和する効果が期待されています。
3. 観光バス運行時の安全指導
観光バス運行会社には、冬季の運行ルールを徹底するよう行政からの指導が強化されました。特に、
- 冬季のチェーン装着義務
- スピード抑制の徹底
- 安全運転に関する講習の実施
といった対策が強化されることとなりました。
まとめ
北海道・旭川市の旭山動物園付近で発生した観光バスを含む多重事故は、凍結路面によるスリップや交通の混雑が主な原因でした。
この事故を受けて、行政による安全対策の強化やバス運行時のルール見直しが進められていますが、根本的な解決にはドライバーの意識向上と冬道運転の徹底した対策が不可欠です。
冬季の北海道を訪れる際は、路面状況を常に確認し、安全運転を心がけることが重要です。