近年、再生可能エネルギーの導入が進んでいますが、その裏では「電気代の高騰」が大きな問題となっています。特に「太陽光パネルを導入すれば電気代がゼロになる」という広告を見たことがある人も多いでしょう。しかし、その実態はどうなのでしょうか?
今回は、キャノングローバル戦略研究所の杉山大志氏の解説を元に、なぜ太陽光発電が電気代の高騰を引き起こすのかを詳しく解説します。
電気代は今後さらに上昇する可能性が高い!
現在、政府のエネルギー基本計画では、2040年までに電力の4割から5割を再生可能エネルギーで賄うという目標が掲げられています。しかし、これが実現すると電気代はますます高騰すると予測されています。
電気代が上昇する要因
- 太陽光・風力発電のコストが高い
- 太陽光発電は晴天時しか発電できないため、安定した電力供給が難しい。
- 風力発電も風がないと発電できない。
- そのため、バックアップ電源(火力発電など)が必要になり、結果的にコストが倍増する。
- 再生可能エネルギー賦課金の増加
- 再エネ導入が進むほど「再生可能エネルギー賦課金」が電気代に上乗せされる。
- すでに2010年と比較して1kWhあたりの電気料金は約13円上昇。
- 設備投資や送電インフラの増強が必要
- 太陽光や風力発電を増やすためには、大規模な送電設備の整備が必要。
- これには莫大なコストがかかり、最終的に消費者の電気代に転嫁される。
太陽光パネルを導入すると本当に電気代はゼロになるのか?
「太陽光パネルを導入すれば電気代ゼロ生活!」という広告を目にすることがあります。しかし、これは本当でしょうか?
太陽光発電の現実
- 太陽光パネルは「1年のうち13%程度の時間しか発電しない」。
- 曇りや雨の日、夜間は発電できないため、結局火力発電などに頼ることになる。
- 発電できない時間の電気は電力会社から購入しなければならないため、「完全な電気代ゼロ」は現実的ではない。
設置コストとメンテナンス
- 初期費用は数百万円。
- 定期的なメンテナンスや交換が必要(特にインバーターの寿命は10〜15年)。
- 蓄電池を導入しないと、日中以外の電力供給ができないため、追加コストが発生。
電気代を抑えるために必要な対策とは?
では、今後の電気代高騰を抑えるためにはどうすればいいのでしょうか?
1. 原子力発電の再稼働
- 現在停止している原子力発電所を再稼働すれば、1kWhあたり1.9円程度の低コストで電力供給が可能。
- すでに設備が整っているため、新規建設よりもはるかに安価。
2. 既存の火力発電の活用
- 日本にはすでに多くの火力発電所が存在。
- 石炭火力発電は1kWhあたり4.2円、ガス火力発電は6.6円と比較的安価。
3. 無駄な再エネ投資を見直す
- 補助金目当ての太陽光・風力発電を見直し、本当に必要な電源構成を再検討する。
- 太陽光発電は日本の気候に合わないため、過度な導入は避けるべき。
FAQ
Q1: 太陽光発電を導入すれば本当に電気代が安くなるの?
A1: 一部の補助金を活用すれば初期費用を抑えられる可能性はありますが、発電できない時間の電力は購入しなければならないため、完全な電気代ゼロは不可能です。
Q2: 太陽光パネルは環境に優しいの?
A2: 環境負荷は低いものの、製造過程で大量のエネルギーを消費し、廃棄時の処理が課題になっています。
Q3: 電気代を抑えるためには何ができる?
A3: 節電のほか、政府が進める電源構成の見直しが不可欠です。安価な電力供給手段(原子力や火力)を活用することが重要です。
まとめ
日本の電気代は今後さらに上昇すると予測されています。特に、太陽光発電の過剰な導入は、電気代高騰の大きな要因の一つです。
電気代を抑えるためには、
✅ 原子力発電の再稼働
✅ 既存の火力発電の活用
✅ 無駄な再エネ投資の見直し
が必要です。
今後の電気料金の動向に注目しつつ、自分たちにとって最適な選択をしていきましょう!