年金制度改正で2000万円支給カットの可能性も 遺族年金や厚生年金がどう変わるか解説

政治・経済学

年金制度に大きな改正が迫っています。今回の法案では、遺族年金の支給期間の大幅短縮や、厚生年金の報酬比例部分の減額が含まれ、特に年金に期待をかけていた人々にとっては深刻な内容となっています。この記事では、年金制度改正のポイントと、その影響について初心者にも分かりやすく解説します。

年金制度改正の主なポイント

改正法案の主な変更点は次の通りです。

  • 遺族年金の支給期間を5年に短縮
    これまで生涯受け取れた遺族厚生年金が、60歳未満の妻の場合は最大5年間のみの支給となります。
  • 厚生年金の報酬比例部分を減額
    財源を確保するため、元サラリーマンが多く支払ってきた厚生年金の一部を削減し、基礎年金の補填に充てる方針です。
  • 段階的な支給制限の拡大
    2028年以降、30歳未満→40歳未満→50歳未満→60歳未満と、遺族年金の短縮対象が広がっていく見込みです。

これらの改正により、実質的に“2000万円超の支給カット”が生じる試算もあります。

改正の背景にある「年金破綻」の現実

政府はかつて「年金は100年安心」と言っていましたが、現実は深刻です。

  • 少子高齢化による保険料収入の減少
  • 増え続ける年金支給対象者
  • 財源不足による制度維持の限界

特に非正規雇用が多い「ロスジェネ(氷河期)世代」などは、老後の生活に直結する基礎年金の低下が直撃しています。

制度の維持が困難になる中、「積立方式」から「賦課方式」への移行が進められ、実質的には“ネズミ講”のような状態となっています。

支給額が2000万円減るケースも

具体的にどれほどの影響が出るのか、以下の試算があります。

  • 夫:年収約540万円、55歳で死亡
  • 妻:同年齢、87歳まで受給と仮定

このケースでは、遺族年金の総額はこれまで約2,336万円とされていましたが、改正後はわずか365万円。差額は1971万円のカットとなります。

もはや「生命保険」としての機能も失われていると言えるでしょう。

政府の対応と国民の不満

このような重大な変更にもかかわらず、政府は明確な謝罪や説明責任を果たしていないと批判されています。

  • 誰も責任を取らない体制
  • 国民の同意を得ないまま進む改正
  • 「後出しジャンケン」のようなルール変更

本来、民間保険会社であれば“詐欺”にあたるような変更が、国の制度ではまかり通っているという現状があります。

FAQ

Q1: 遺族年金が5年で打ち切られるって本当ですか?
A1: はい、2028年以降は段階的に対象年齢が拡大され、最終的に60歳未満の妻は5年間のみの支給となる予定です。

Q2: どうして厚生年金が減らされるのですか?
A2: 財源確保のため、たくさん払ってきた人の年金を減らし、基礎年金の底上げに流用する方針が取られています。

Q3: 今後、年金制度はどうなると思いますか?
A3: 増税やさらなる給付削減の可能性もあり、制度の信頼性は大きく揺らいでいます。自己防衛として私的年金の検討が必要かもしれません。

まとめ

今回の年金制度改正法案は、年金制度の破綻リスクを明確に示すものであり、実際の支給額が2000万円以上もカットされる事例も現れています。国民の老後の生活に直結する問題であるにも関わらず、政府の対応は不誠実で透明性を欠いていると言えるでしょう。将来に不安を抱えるすべての人にとって、今こそ年金制度の実態と自分の対策を見直すタイミングです。

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