夜間運転中に対向車のヘッドライトが眩しすぎて前が見えない、後ろからのライトで煽られているように感じる――そんな経験はありませんか?近年、車のヘッドライトに関する苦情が急増しており、国内外で問題視されています。本記事では、なぜ最近のヘッドライトが異常に眩しいのか、その理由と対策を初心者にもわかりやすく解説します。
最近のヘッドライトが眩しい理由とは?
現代のヘッドライトは、昔と比べて性能が大きく進化しています。その進化が「眩しさ」につながる理由を見ていきましょう。
LEDライトの普及と直進性の強さ
以前主流だったハロゲンランプに代わり、現在ではLEDライトが標準装備されています。LEDは消費電力が低く寿命も長いというメリットがありますが、その一方で光の直進性が高いため、光軸調整が不十分な車は対向車に強い眩しさを与えてしまいます。
特に、市販の安価なLEDバルブを自分で取り付けるユーザーも増えており、これが原因で光が乱反射し、周囲に不快な明るさを撒き散らしているケースが多発しています。
ハイビーム推奨の法改正による影響
2017年の道路交通法改正により、夜間走行中のハイビーム使用が推奨されるようになりました。本来は対向車や前走車がいる場合にロービームへ切り替える必要がありますが、多くのドライバーが切り替え操作を怠っており、結果として眩しい光をまき散らしてしまっているのです。
カスタムLEDバルブの取り付けと光軸のズレ
オートバックスやAmazonなどで手軽に購入できるLEDライトですが、取り付け後に正しく光軸調整を行わないと、他車にとって非常に迷惑な状態になります。しかも、汎用バルブを使用すると車種ごとの構造に合っていない場合があり、さらに眩しさを悪化させます。
積載量の変化によるライトの角度変化
車に多くの人や荷物を乗せた場合、車体の傾きによりヘッドライトの照射角度が変わり、対向車に直撃するような状態になることがあります。オートレベリング機能がない車両や、マニュアル調整を怠るドライバーが多いため、眩しさの一因となっています。
マナーや意識の低下
昔は信号待ちや踏切待ちの際にライトを消すというマナーが一般的でしたが、最近ではオートライト機能の普及により、ドライバーの意識が希薄になってきています。オートライト任せにせず、自らの判断で適切なライト操作をすることが求められます。
自動車メーカーによる不正とその影響
トヨタの「ライズ」や「ルーミー」などの車種は、実際の製造・開発がダイハツによって行われており、光軸試験に関する不正があったことが報告されています。
- LEDバルブ装着車でありながら光軸調整が適切に行われていなかった
- 試験データの改ざんや走行距離の虚偽記載が発覚
これらの不正により、「眩しすぎる」ヘッドライトが街中に溢れてしまっている現状があります。
対策方法はあるのか?
眩しいヘッドライトから身を守るために、個人でできる対策を3つ紹介します。
1. ナイトサングラスの使用
夜間専用のサングラスを使用することで、強い光を軽減できます。JIS規格では75%以上の透過率が必要とされており、安全運転を妨げることなく眩しさを防げます。
2. サンバイザーの活用
通販などで購入できる追加サンバイザーを装着することで、視界の上部からの光を遮り、眩しさを軽減することができます。
3. デジタルインナーミラーの導入
後続車のライトの眩しさに悩まされる場合は、デジタルインナーミラーがおすすめです。自動で反射を抑えたり、映像処理によって視認性を向上させたりすることが可能です。
FAQ
Q1: LEDヘッドライトは本当に危険なのですか?
A1: 危険というよりも、正しく調整されていない場合に周囲の車にとって非常に眩しく迷惑な存在になります。
Q2: ハイビームとロービームの使い分けがわかりません。
A2: 基本的には常にハイビームで走行し、前方に車がいる場合や市街地ではロービームに切り替えることが推奨されています。
Q3: オートレベリング機能のない車はどうすればいいですか?
A3: 積載人数や荷物の量が変わった際には、マニュアルで光軸を調整する必要があります。取扱説明書や販売店で確認しましょう。
まとめ
最近の車のヘッドライトが眩しい原因には、LEDライトの普及や法改正、カスタムパーツの影響、ドライバーの意識低下、さらには自動車メーカーの不正まで多くの要因が絡んでいます。ドライバー一人ひとりが意識を高く持ち、適切なライト操作とメンテナンスを心がけることが大切です。快適で安全な夜間ドライブのためにも、正しい知識と対策を身につけましょう。