「回避性パーソナリティ障害と自覚してるけど、対人恐怖症ではないので私は違いますか？」の答え

回避性パーソナリティ障害（Avoidant Personality Disorder, AvPD）の診断において、対人関係の恐怖や不安は中心的な特徴の一つですが、それが完全にない人が回避性パーソナリティ障害と診断される可能性は低いです。以下に理由を説明します。

回避性パーソナリティ障害の特徴

回避性パーソナリティ障害は、一般的に以下のような特徴を持つとされています（DSM-5を基にしています）：

1. 批判や否定に対する過敏さ
2. 社会的な状況や親密な関係を避ける傾向
3. 自尊感情の低さ
4. 恥や劣等感への強い意識
5. 他者に拒否されることへの極度の恐れ

この障害の背景には、「対人関係で傷つくことへの恐怖」や「他人からの否定的評価への過敏さ」が深く関与しており、これが行動パターンとして回避的になる理由です。

対人関係の恐怖がない場合

もし「対人関係への恐怖」がない場合、以下の可能性が考えられます：

1. 別の特性や障害の可能性
   • たとえば、社交性が低い性格（内向性）や趣味・興味が特定の分野に集中しているために対人関係をあまり求めない場合、回避性パーソナリティ障害ではなく、他の性格特性や診断が該当するかもしれません。
2. 診断基準を完全に満たさない
   • 回避性パーソナリティ障害と診断されるためには、対人恐怖や拒絶不安が他の基準と共に存在する必要があります。このため、恐怖がない場合は診断基準を満たさないと考えられます。
3. 他の障害との混同
   • 社交不安障害（Social Anxiety Disorder）や他のパーソナリティ障害（たとえば、スキゾイドパーソナリティ障害）のように、対人関係を避ける行動が似ていても、動機や原因が異なる場合もあります。

専門家の意見を重視

診断や判断は精神科医や臨床心理士などの専門家が行うべきです。もし回避的な行動がありながらも恐怖を感じない場合、何が行動の背景にあるのかを丁寧に検討する必要があります。

自分の状態について疑問や不安がある場合、専門家に相談することで具体的なアドバイスを得られるでしょう。