世界の辺境地を舞台にした数々の冒険を記録してきた高野秀行氏が、新著『酒を主食とする人々』を発表しました。この本では、エチオピア南部に住む少数民族の驚くべき飲酒文化が取り上げられています。TBSの人気番組「クレイジージャーニー」で一部が紹介され話題となった内容も深掘りし、現地の人々の生活がより詳細に描かれています。本記事では、謎のアフリカ飲酒民族と高野氏の探訪記の魅力に迫ります。
高野秀行の新たな挑戦 『酒を主食とする人々』とは
高野秀行氏の『酒を主食とする人々』は、エチオピア南部に住む「デラシャ族」を中心に、驚くべき飲酒文化を紹介するノンフィクション作品です。この地域では、アルコール飲料が生活の中心にあり、成人はもちろん子どもたちも日常的に酒を口にします。さらに、1日に数リットルもの濁り酒を摂取するという異例の文化が根付いています。
この飲酒文化に最初に注目したのは、生態人類学者・菅野ゆい氏の研究でした。その内容に衝撃を受けた高野氏は、現地取材を決意。現地での体験や観察を重ね、伝統的な酒造りの方法や人々の生活ぶりを深く掘り下げています。
クレイジージャーニー出演で注目を集めたアフリカの飲酒文化
高野氏が訪れたエチオピア南部のデラシャ族やコンソ族は、TBSの「クレイジージャーニー」でも紹介されました。この番組では、飲酒文化に浸る高野氏と現地の人々の交流が描かれましたが、時間の都合上、伝えきれなかったエピソードも多数。例えば、飲酒を始める年齢が非常に低いことや、1日を通してほぼ酒を飲み続ける生活習慣など、信じがたい文化が紹介されています。
特に印象的だったのは、デラシャ族が自作する濁り酒「チャガ」の飲み方。18人で8つの瓢箪(ひょうたん)を回し飲みする様子はまるでラグビーのよう。歓迎の場では次々と差し出される瓢箪に応じなければならず、高野氏自身も筆記の時間すら取れないほど酔いの中で取材を進めたと語っています。
酒を主食とする理由
現地の人々がアルコールを主食とする理由は、限られた水資源と深く関係しています。エチオピア南部の厳しい自然環境では、清潔な飲み水が貴重で、代わりに発酵酒を水分補給に活用する生活が営まれています。また、酒に含まれる栄養素も重要な役割を果たしており、固形物をほとんど摂らないデラシャ族の食生活において欠かせないものとなっています。
健康面での驚き
驚くべきことに、この過剰とも思える飲酒習慣が健康面に悪影響を及ぼしていない点も注目されています。むしろ、デラシャ族は周辺の民族と比べて健康状態が良好であることが確認されています。これには、酒造に使われるソルガム(雑穀)などの栄養価が影響していると考えられています。
FAQ
Q1: 『酒を主食とする人々』はどのような本ですか?
A1: エチオピア南部に住む少数民族の飲酒文化を取り上げたノンフィクション作品で、現地の人々の生活を詳細に描いています。
Q2: この本で紹介されている飲酒文化はどのようなものですか?
A2: アルコール飲料が生活の中心にある文化で、成人だけでなく子どもも日常的に酒を摂取します。
Q3: 健康面に問題はないのでしょうか?
A3: むしろ周辺民族よりも健康状態が良いとされています。酒造に使われる食材の栄養価が寄与している可能性があります。
まとめ
高野秀行氏の『酒を主食とする人々』は、読者の常識を覆す驚愕の飲酒文化を明らかにした一冊です。「クレイジージャーニー」での取材エピソードとともに、現地でのユニークな生活習慣を知ることができます。この本を通じて、飲酒という行為がいかに多様な意味を持ち得るかを再認識させられることでしょう。
ぜひ、この冒険と発見の物語を手に取ってみてください!

