昨今のSNSでは、「自分こそが正義」であると思い込んで、他人を誹謗中傷する例があります。
不倫をした芸能人に対してSNSでたたく人たち、といったところでしょうか。
こういった人たちを「正義中毒」にかかっていると、脳科学者の中野信子氏は言います。
「正義中毒」とは何か?
【「他人を許せない人の脳」で起きている恐ろしい事】 「30歳まで」にどんな人と出会ったかが大切#東洋経済オンラインhttps://t.co/7BuC63ZMMT
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) December 29, 2021
上記の中野信子氏の記事によると、「正義中毒」を以下のように説明しています。
人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人といった、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質である「ドーパミン」が放出されます。この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象をつねに探し求め、決して人を許せないようになるのです。
こうした状態を、私は正義に溺れてしまった中毒状態、いわば「正義中毒」と呼ぼうと思います。
自分自身の考える正義が絶対だと考え、それに外れる人に対して攻撃をする人、といったところでしょうか。
「正義」という言葉は本当に厄介で、考え方・宗教・国柄・受けてきた教育・立場などによって大きく異なるのが常です。
つまり絶対的な「正義」は無いのですが、やはり自分の考える正義が正しいと思ってしまうものですよね。
親が子供に対して怒るときも、おそらく同じことが行われているのだろうと思います。
「私の言うことが正しい、あなたが間違っている、だからあなたが行動を変えなさい」といった具合に。
上記の記事でも書かれていますが、本人がその正義をいかに客観視できるか、いわゆる「メタ認知」ができるかというところに救いがあるのだろうとは思います。
ただそれが全ての人間にできることでもない、というのも厄介なところです。
そして、それらの「正義の暴走」が、場合によっては正しいことになる場合もあるので、結局の所、客観的に見て何が正しくてどう行動すれば良いのかを考え・判断できる人間が増えることを願うしかないのかなと、現時点では思います。