マイナ保険証のトラブルが止まらない背景と今後の課題

マイナ保険証が導入されて以来、便利さと引き換えに様々なトラブルが報告されています。2024年5月から10月にかけて、特に医療現場での問題が多発しており、患者や医療機関の双方に影響を与えています。この記事では、マイナ保険証に関連する主なトラブルとその背景について解説します。

マイナ保険証のトラブルが止まらない背景と今後の課題

70%以上の医療機関でトラブル発生 マイナ保険証の課題が浮き彫りに

全国保険医団体連合会(保団連)の調査によると、2024年5月以降、約70.1%の医療機関がマイナ保険証に関するトラブルを経験しています。この割合は前回調査から約10%増加しており、問題の深刻さが浮き彫りになっています。医療現場では、システムの不具合やカードリーダーのトラブルなど、日常的に使用されるマイナ保険証に起因する問題が多数報告されています。

電子証明書の有効期限切れ 資格確認ができず

マイナ保険証のトラブルの一つとして、電子証明書の有効期限切れが挙げられます。有効期限が過ぎたために、医療機関で資格確認ができないケースが20%の医療機関で報告されています。この場合、患者は一時的に無保険扱いとなり、医療費を全額自己負担しなければならない事態が発生しています。

名前や住所が文字化け システム上の不具合が原因

さらに、名前や住所が「●」で表示される文字化けの問題も66.9%の医療機関で発生しています。この問題は、システム上の不具合が原因とされており、正確な情報が確認できないことで、資格確認がスムーズに行えないケースが増えています。医療機関にとっては、患者の個人情報が正常に表示されないことが、業務に大きな支障をきたしています。

カードリーダーの不具合が深刻 患者に10割負担を求める事態も

カードリーダーが正常に機能せず、マイナ保険証を読み取れないケースも多発しています。これにより、患者が無保険扱いとなり、一時的に医療費を10割負担するケースも報告されています。調査によると、少なくとも974件の10割負担が発生しており、患者にとっては大きな経済的負担となっています。

医療機関からの現行健康保険証存続要望

こうしたトラブルが頻発していることから、医療機関の88%が現行の健康保険証を存続させるべきだと考えています。多くの医療機関では、マイナ保険証のトラブル時に従来の健康保険証を代用していますが、これが廃止されるとさらなる混乱が予想されます。そのため、現行の保険証を継続する必要性が強く訴えられています。

まとめ

マイナ保険証は、利便性の向上を目指して導入されましたが、トラブルが依然として多発しています。医療機関ではシステムの不具合や有効期限切れの問題が深刻化しており、患者にも大きな影響を与えています。今後、これらの問題が解決されることが急務とされており、医療現場と消費者の双方にとって安心して利用できる仕組みが求められています。

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