昨今、本屋さんやYou Tube動画などで、セロトニンを増やすとうつ病はよくなるといった話が半ば常識化しています。
私自身もセロトニンの話を聞いて、ならば朝日を浴びるとかビタミンDをとるとか、様々な対処法でセロトニンを増やすような努力をしてみたのですが駄目でした(笑)
ところが、エドワード・ブルモア著『「うつ」は炎症で起きる』では、セロトニンで鬱が治るという説は愚の骨頂と喝破しており、衝撃を受けました。
うつ病とセロトニンは関係ないのか?
文庫 「うつ」は炎症で起きる (草思社文庫) [ エドワード・ブルモア ]
こちらの書籍によると、セロトニンでうつが治るといったことはない、という解説が詳しく掲載されていました。
「セロトニン」と呼ばれる脳内伝達物質が不足することが原因だと考えられていますが、個々の患者のセロトニンを測る方法はありません。そのため、セロトニン不足を解消する「プロザック」などの薬が効いているかどうかも、患者に尋ねるしかありませんし、実際、効かないことも多いのです。このような状況もあり、新しい薬や治療法の開発は長年にわたり苦戦してきました。
出典:「うつ」は炎症で起きる 出版社のコメントより
セロトニンが体に良い影響をおよぼしていることは間違いないようなのですが、結局の所「セロトニンを測定する方法がない」ことから、立証できていないとのことです。
つまり、セロトニンがうつに良いのかどうか全く分かっていない、というのが現状とのこと。
立証されていないものが何故これほどまでにもてはやされているのかは理解不能です。
とはいえ、セロトニンを増やそうとするちまたの対処法は、効かないわけではないというのも厄介なところです。
炎症を取り除くことが近道?
この本のテーマは「炎症がうつの原因である」ということ。
炎症においては個人差がかなり大きく、ある物質を食しても全く影響がない人もいれば、少し摂取しただけで体調が一気に崩れてしまう人も居ます。
そういう意味ではこの「炎症」にどう対応するかは個人差が大きいものと思われます。
実際のところ、この書籍でもまだ仮設の段階で、どうすればいいのかまでの詳しい対処法までは載っていませんでした。
とはいえ、炎症は万病の元ともいえる部分ですから、それに対処するような日常生活を心がけることが回復につながることは間違いなさそうです。
体内の「炎症」を抑えると、病気にならない
体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! クスリに頼らず全身の臓器を元気にするコツ (単行本) [ 池谷 敏郎 ]
炎症に関する書籍では上記の本も大変参考になります。
タイトル通りの炎症に関する本です。
動脈硬化・メタボ・がん・うつ・認知症・アトピー性皮膚炎、こういった病気は「慢性炎症をどう抑えるか」につきるとのこと。
これらの病気の原因にもなっているわけですから、炎症抑える対策を講じる事は、うつだけでなく、全てにおいて健康に生きていく上で重要な考え方になるのかも知れませんね。