マリサ・G・フランコの著書『FRIENDSHIP(フレンドシップ)』は、友情の大切さや友達とのつながりが私たちの心と体に与える影響を心理学的に解説した一冊です。恋人関係とは異なる友人関係の魅力や、友情を育むための具体的な方法を学ぶことができます。本記事では、本書の要点を「恋人より友達」に焦点を当ててまとめました。
友情がもたらす驚きのメリット
健康と幸福に与える影響
友情は、私たちの健康と幸福に非常に大きな影響を与えます。信頼できる友達を持つことで、以下のような効果があるとされています。
- 死亡リスクを45%低減
運動(23〜30%低減)や食生活の改善(最大24%低減)を上回る影響力を持っています。 - うつの予防
孤独は心身に悪影響を与え、1日15本の喫煙に匹敵するほど健康を害します。友達がいることで、精神的な健康を保つことができます。 - 人格や共感力を育てる
友情を通じて、他者への思いやりや自己成長を促進することができます。
恋人より気楽な関係
恋人とは違い、友情は以下の点で気楽な関係を築けます。
- 格好をつける必要がない
- 性的な期待や責任が少ない
- 経済的負担を分担できる(割り勘など)
友達を作りやすい人と作りにくい人の違い
幼少期の親子関係が影響
友達を作りやすい人と作りにくい人の違いは、幼少期の親子関係に起因します。
- 作りやすい人
「自分は愛される価値がある」「他人は親切で信頼できる」と信じている。 - 作りにくい人
「自分は愛される価値がない」「他人から好意を持たれるのには裏がある」と思い込む。
大人になっても努力次第で改善可能
たとえ幼少期の影響があったとしても、意識的な努力で友情を築く能力を高めることは可能です。
友達を作るための5つのステップ
1. 勇気を持って自分から声をかける
友情は待っていても自然に生まれるものではありません。カナダの研究では、友達作りは「努力が必要」と考える人の方が孤独を感じにくいことが分かっています。
- 「自分は人から好かれている」と思い込む。
- 拒絶されても「自分に価値がない」と結論づけない。
2. 自分の弱さを見せる
友情を深めるには、弱さやもろさを隠さず見せることが重要です。
- 男性は特に弱さを見せるのが苦手ですが、もろさを見せることで信頼関係が築かれます。
- 自分を隠すことで友情は浅い関係にとどまるため、意識して弱さを共有しましょう。
3. 気前よく接するが、無理はしない
相手に思いやりを示すことで友情が深まります。
- プレゼントを贈る、時間を共有するなどの行動が有効。
- ただし、自分を犠牲にしてまで尽くすのは逆効果です。
4. 定期的に会うグループに参加する
単純接触効果(何度も会ううちに親密度が高まる心理)を活用します。
- 趣味や興味を共有するグループ(サークル、ジム、オフ会など)に参加。
- 定期的に顔を合わせることで自然なつながりを育む。
5. お互いのニーズを優先させる
「Win-Win」の関係を意識し、自分も相手も楽しめる状況を作ることが友情を長続きさせる秘訣です。
恋人ではなく友達が重要な理由
友情には恋愛とは異なる価値があります。特に、大人になると以下のような状況で友情の価値が際立ちます。
- 結婚やパートナーシップに依存しすぎるリスクを回避できる。
- 友達なら複数の人と関係を築け、老後の支えにもなる。
- 恋愛がうまくいかなくても、友情が心の支えになる。
まとめ
友情は、心身の健康を促進し、人生を豊かにしてくれる重要な要素です。本書が提案する友情の築き方を参考に、以下を実践してみましょう。
- 勇気を持って行動する
- 弱さを共有する
- 気前よく接する
- 定期的に会う場を作る
- お互いを尊重する
恋人とは違い、友情は気楽で柔軟な関係を築けます。友達の存在を軽視せず、豊かな人間関係を育てていきましょう。